この度、「高森てつ AUDIO BOOK」を開始する運びとなりました。
皆さまお見知りおきのほど何卒宜しくお願い申し上げます。
今回、新たな施策に取り組むにあたってその理由は幾つかございます。
先ずもって「古典の物語を紐解く面白さ」です。
「軽読書家」を標榜しているわたくしは
決して古典文学への造詣が深いわけではありませんが、
折に触れて手に取ると実に面白い。
今も昔も変わらない人間の業に普遍性を感じたり、
失ってしまった「粋」に憧れてみたり。
次なる理由としては、
視覚障がいのある方や失読症の方のお役に立てればということです。
世の中には既に多数のオーディオブック作品がございますが、
一般的な書籍に比べるとその選択肢はまだまだ少ない。
音声表現を生業としている者として
微力ではありますが何時かは向き合わなければと思っていたところ
時が満ちていよいよ挑戦する日がやって来ました。
更にもう一つ。
日本語習得を目指す外国人の皆さんへの音声資料のご提供です。
今回の施策に取り組むにあたり
同業の皆さんの古典朗読動画を拝見すると
外国人の方が朗読音声を聴きながら
日本語の勉強をしていらっしゃるという書き込みが散見されました。
てっきりドメスティックなコンテンツだとばかり考えておりましたので
目から鱗が落ちました。
それにしても・・・
先人達の名作に触れ音声化するのはとても難しい。
若かりし日に九州にて師事した小松士郎に
毎週の稽古をつけてもらっていたあの頃を思い出します。
当時、既にプロデビューしておりましたが、
芥川龍之介、川端康成、向田邦子などの作品を教材に
週に1回約3時間のアナウンスレッスンを7年間。
読解力と感性のきらめきに欠けていたことから文章を捉えきれず、
平面を立体に持って行く技術もなく奥行のない読みになっておりました。
当然のことながらそれが許される訳もなく、
何度も何度も同じセンテンスへ異なるアプローチを求められ
1ページを読み進めるのに 1ヶ月かかることもありました。
その日々は上京間際まで続き
よくぞあそこまで不出来な弟子に対峙してくれたものだと
感謝の気持ちで一杯です。
そうして師にアナウンスメントの足腰を鍛えてもらい
不肖高森がこの業界で今でもこうして何とか飯が食えている訳ですが、
「当時に比べその実力や如何に?」という気持ちで最初の収録に臨むと
その出来たるや惨憺たるもので力量の低さに愕然といたしました。
私程度の実力の者には無理なのかもしれないと思いながらも
ここで諦めてなるものかと粘り強く何度もアプローチすることで、
古典のリズムや言い回しに少しずつ慣れそれが身体に浸透し、
なんとかリリースするレベルに持ってこれた次第です。
現在15分~30分の短編を中心に向き合っておりますがまぁ大変です 笑
中途半端な取り組みでは
とてもじゃありませんが毎週定期更新など出来やしません。
先人達の洗練された文章に魅了され驚愕し悶絶する日々に向き合い
何時かは大作に取り組むことを目標に精進いたします。
皆さまご愛顧のほど何卒宜しくお願い申し上げます。
【 高森てつ AUDIO BOOK 概要 】
媒体:YouTube
初回投稿:2025年8月1日
初回作品:夏目漱石「変な音」
基本更新:毎週金曜 当初短編中心
※都合予告なく掲載スケジュールが変更となる場合がございます。
<チャンネル内容>
ナレーター、スポーツアナウンサー、ラジオDJなど、
プロの音声表現者として活動する高森てつが、
先人達が残した古典小説を読み解きます。
音声メディアならではの想像の翼を広げてください。
<チャンネル登録>
高森てつ AUDIO BOOK
https://www.youtube.com/@%E9%AB%98%E6%A3%AE%E3%81%A6%E3%81%A4AUDIOBOOK-n3b/
チャンネル登録いただいた方には新規掲載の折、通知が入ります。
<初回作品内容>
高森てつAUDIO BOOK 処女作は夏目漱石「変な音」を選択。
飄々として謎めいて時にユーモラスな今作は
夏目漱石の魅力がギュッと詰まった作品です。
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